【運命の1本】賞状の筆耕で使う小筆の選び方

2020-08-17

当ブログやインスタではよく質問をいただくのですが、圧倒的に多いのが「おススメの筆を教えて?」といったものです。ここでは、実際に使用している小筆と、小筆の選び方をご紹介します。

小筆は消耗品

賞状筆耕は細字の楷書が基本です。もちろんは筆は小筆となります。小筆は消耗品なので頻繁に交換します。

寿命は個体差がありますが、賞状を全文書いた場合、10枚も書けば書き味が落ちてきます。宛名書きなら200枚くらいでしょうか。

卒業証書のシーズンにもなるとドンドン筆を消費し、1シーズンで10本以上は使うことになります。

筆耕の仕事で使ってきた筆たち
筆耕の仕事で使ってきた筆たち

書き味が落ちると線質が乱れてきます。また、穂先が効かなくなってきます。穂先のコントロールが効かなくなりストレスが溜まります。

同じく小筆を使うかな書道と違って、細字の楷書の場合は小筆をフルに使うので消耗も激しくなるのです。

まずは、小筆は消耗品だということを認識して、常にストックを準備しておくことが大切です。

小筆のストックは常に10~20本はあります
小筆のストックは常に10~20本はあります

これまでに使ってきた小筆

インスタやブログの質問でいただく「おススメの筆を教えて?」に対しては「特にこだわりはありません」と答えています。

実際に国産筆唐筆も両方使ってきましたし、今後も無差別に使っていくと思います。※唐筆とは中国産の筆

国産筆と唐筆の違いですが『国産筆は値段が高い』『唐筆は値段が安い』事があります。

品質の違いは、国産筆の方が若干寿命が長いと感じます。また、毛の素材によっても異なりますが、国産筆の方が柔らかいものが多く技術が必要になります。※個人の感想

国産筆も唐筆も両方使ってきました
国産筆も唐筆も両方使ってきました

選毫圓健について

唐筆の代表的な筆に『選毫圓健』があります。僕が学んだ賞状技法士協会でも推奨していた筆です。

選毫圓健は値段が安く、穂先が効いていて戻りもいいので書きやすいです。今でも時々使っています。

唐筆は筆の名前が統一されていています。つまり、いろいろな工房で『選毫圓健』が作られているのです。そのため工房によっても書き味が異なります。

また、サイズも何種類かあります。賞状に書きやすいのは『穂先24mm』でしょう。21㎜もありますが細すぎると思います。※個人的には26㎜以上が欲しい。

小筆の選び方

小筆の選び方は自分で開拓することです。

まずは『国産』と『唐筆』の違い、穂先の長さの違い、工房ごとの違いを知って、自分の好みを見つけてみてください。

僕の場合は全くこだわりがないので、「おっ、初めて見る筆だ!」と思ったら買って使っています。

ただし、穂先のサイズはしっかり見ています。自分にとっての好みのサイズを知ることも大切です。※僕は穂先が長い筆がスキ。

穂先が長いと太い線が書けますが、細かい字は技術が必要になります
穂先が長いと太い線が書けますが、細かい字は難易度が高くなります。

小筆の買い方で最も重要なことは、同じ筆を2本以上買うことです。

国産筆も唐筆も、小筆は個体差が小さくありません。同じ工房で作られた同じ筆でも、個体によって差があるのです。

実際に、10本の筆を買ってきても、賞状筆耕で使える筆は半分くらいかもしれません。個体差については割り切って考えています。

小筆はネットでまとめすることも多いです
小筆はネットでまとめすることも多いです

小筆の場合『運命の1本』に出会えることはありません。あったとしても、すぐに寿命が来ます。そして、同じ筆を買っても同じ書き味とは限りません。

今回は『賞状で使う小筆の選び方』をご紹介しましたが、結論はシビアな話になってしまいました。

参考になれば幸いです。

おわり

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