【運命の1本】賞状の筆耕で使う小筆の選び方

当ブログやインスタではよく質問をいただくのですが、圧倒的に多いのが「おススメの筆を教えて?」といったものです。ここでは、実際に使用している小筆と、小筆の選び方をご紹介します。

小筆は消耗品

賞状筆耕は細字の楷書が基本です。もちろんは筆は小筆となります。小筆は消耗品なので頻繁に交換します。

寿命は個体差がありますが、賞状を全文書いた場合、10枚も書けば書き味が落ちてきます。宛名書きなら200枚くらいでしょうか。

卒業証書のシーズンにもなるとドンドン筆を消費し、1シーズンで10本以上は使うことになります。

筆耕の仕事で使ってきた筆たち

筆耕の仕事で使ってきた筆たち

書き味が落ちると線質が乱れてきます。また、穂先が効かなくなってきます。穂先のコントロールが効かなくなりストレスが溜まります。

同じく小筆を使うかな書道と違って、細字の楷書の場合は小筆をフルに使うので消耗も激しくなるのです。

まずは、小筆は消耗品だということを認識して、常にストックを準備しておくことが大切です。

小筆のストックは常に10~20本はあります

小筆のストックは常に10~20本はあります

これまでに使ってきた小筆

インスタやブログの質問でいただく「おススメの筆を教えて?」に対しては「特にこだわりはありません」と答えています。

実際に国産筆唐筆も両方使ってきましたし、今後も無差別に使っていくと思います。※唐筆とは中国産の筆

国産筆と唐筆の違いですが『国産筆は値段が高い』『唐筆は値段が安い』事があります。

品質の違いは、国産筆の方が若干寿命が長いと感じます。また、毛の素材によっても異なりますが、国産筆の方が柔らかいものが多く技術が必要になります。※個人の感想

国産筆も唐筆も両方使ってきました

国産筆も唐筆も両方使ってきました

選毫圓健について

唐筆の代表的な筆に『選毫圓健』があります。僕が学んだ賞状技法士協会でも推奨していた筆です。

選毫圓健は値段が安く、穂先が効いていて戻りもいいので書きやすいです。今でも時々使っています。

唐筆は筆の名前が統一されていています。つまり、いろいろな工房で『選毫圓健』が作られているのです。そのため工房によっても書き味が異なります。

また、サイズも何種類かあります。賞状に書きやすいのは『穂先24mm』でしょう。21㎜もありますが細すぎると思います。※個人的には26㎜以上が欲しい。

小筆の選び方

小筆の選び方は自分で開拓することです。

まずは『国産』と『唐筆』の違い、穂先の長さの違い、工房ごとの違いを知って、自分の好みを見つけてみてください。

僕の場合は全くこだわりがないので、「おっ、初めて見る筆だ!」と思ったら買って使っています。

ただし、穂先のサイズはしっかり見ています。自分にとっての好みのサイズを知ることも大切です。※僕は穂先が長い筆がスキ。

穂先が長いと太い線が書けますが、細かい字は技術が必要になります

穂先が長いと太い線が書けますが、細かい字は難易度が高くなります。

小筆の買い方で最も重要なことは、同じ筆を2本以上買うことです。

国産筆も唐筆も、小筆は個体差が小さくありません。同じ工房で作られた同じ筆でも、個体によって差があるのです。

実際に、10本の筆を買ってきても、賞状筆耕で使える筆は半分くらいかもしれません。個体差については割り切って考えています。

小筆はネットでまとめすることも多いです

小筆はネットでまとめすることも多いです

小筆の場合『運命の1本』に出会えることはありません。あったとしても、すぐに寿命が来ます。そして、同じ筆を買っても同じ書き味とは限りません。

今回は『賞状で使う小筆の選び方』をご紹介しましたが、結論はシビアな話になってしまいました。

参考になれば幸いです。

おわり

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3件のコメント

  • 初めまして。
    東京で書道教室運営・指導をしております。

    小筆についての質問です。
    私も賞状の筆耕を依頼され卒園証書揮毫しております。
    今まで「写巻」を使っていたのですが、すぐに先がくたびれ、寿命が短いので、国産筆を探しておりました。いろいろ探しているうちに清水さんのサイトを発見し、お勧めの小筆を拝見し、探してみたのですが
    写真にございます上から3本(伝統工芸士の筆)がどうしても見つかりません。
    もし差し支えなければ、どちらで購入できるか教えていただけましたら幸いです。
    賞状揮毫の真っただ中でお忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。

    • 清水克信

      >宍戸さん

      コメントありがとうございます。
      小筆に関しては皆さん悩まれていますね。実は僕も迷っています。今現在のベストが28mmの国産筆ですが、やっぱり個体によって書き味が異なります。
      画像に写っている伝統工芸士のシールが貼ってある筆は、近所のお店のオリジナル筆です。(※ジョイフル本田)先日見てきたら、在庫分しかないと言われました。そして僕が5本買い占めました。
      今でも、色々試して使っています。どちらにしても小筆は消耗品なので、割り切ってはいますが…。なかなか難しいですね。
      答えになっているか分かりませんが、以上となります。

      • >清水さん

        ご回答ありがとうございます!
        プロの筆耕士の方も悩まれているんですね。多くの小筆を試されている清水さんからの情報はとても参考になります。
        ジョイフル本田だったとは、予想外でした。伝統工芸士の筆を置いている書道用品店やネットなどを探しても見つからないわけですね笑 
        早速購入して試してみたいと思います。

        お道具以外の筆耕に関するルールや練習方法なども非常に勉強になります。今後もブログ楽しみにしております!
        お忙しいなか、お答えくださり本当にありがとうございました。

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