僕が筆耕士になった訳~書道歴・技術・筆耕士の現実
当ブログやインスタグラムには『どうしたら筆耕士になれるか?』の質問がよく来ます。そこで『僕が筆耕士になった訳』として、その経緯や書道歴、そして技術についてまとめてみます。
※2016年2月に書いた記事ですが、最新版にリメイクして再投稿しています。
個人運営の筆耕士の現状
2019年度(令和元年度)は70校以上の卒業証書の名入れをしまた。筆耕業者ではなく、個人運営の筆耕士の中では多い方だと思います。
また、卒業証書の版下(印刷の原本)も新たに4件ほど書きました。1つは学校単独、3つは市町村の公立小学校用なので、かなり多くの学校の卒業証書が僕の字で印刷されています。
卒業証書だけでなく、永年勤続の賞状も毎年ご依頼してくれる常連さんがたくさんできました。同じように選挙関連の筆耕のご依頼も定期的にいただいています。
まず、ご依頼を頂いていることに深く感謝します。また、僕の書いた文字がたくさんの人の手に渡っていることに大きな喜びを感じます。
筆耕士になった訳
僕が筆耕士になった訳は、ズバリ『やってみたい』と思ったからです。決して、書道ができたから筆耕士になったわけではありません。
今から25年以上前、友人が賞状を書くアルバイトをしていて、賞状を書く仕事があることを知りました。※たぶん名入れだと思います。
その時に「いいなぁ」と漠然と思い、賞状書士の通信講座を始めました。しかし、当時の僕は目的意識が薄かったので、続きませんでした。
そして、15年経過。
何かの広告を見て「賞状を書く仕事」への気持ちが再燃して賞状技法士の講座を受講し始めます。※僕は賞状書士と賞状技法士の両方の受講者なのです。15年のブランクがあるけど。
賞状技法士を学びながら、常に「賞状を書く仕事をするにはどうしたらいいのか?」を考えていました。
『筆耕』の世界について情報収集し、業務に対しての必要な知識と技術を研究していきました。研究と言っても今の時代はインターネットがあるので情報収集は簡単です。
問題は技術です。技術は訓練が必要なので、1日~2日で向上できるものではありません。元々、書道部や書道学部出身でもないので本格的に書道を学んだのは『賞状技法士講座』が初めてです。
当然、プロとして技術を習得するまでには時間が掛かります。そのために現在も運営する『筆耕コム』を開設するまでに4年も掛かりました。
筆耕士の書道歴
- 小学1年~6年・・・近所の習字教室
- 高校1年~2年・・・芸術の授業で書道を選択
- 2009年~・・・賞状技法士講座受講
- 2013年~・・・筆耕コム運営スタート
- 2017年・・・硬筆書写技能検定1級取得
- 2018年・・・毛筆書写技能検定1級取得
- 2018年・・・賞状技法士1級取得
前述しましたが、僕は書道部や書道学部出身ではありません。小学生時代の習字教室は、本格的な書道ではなく普通のお習字です。
高校の時の芸術の授業は、『音楽・美術・書道』から選択したのですが、当時は「どれでもいい」と思っていて、空いていた書道を選んだ記憶があります。
ということは、僕が本格的に書道を学びだしたのは『2009年~賞状技法士講座』ということになり、当時の年齢は35歳になっていました。
普通の人なら35歳から新しい技術を身に付けて、新しい仕事を自分で興そうなんて思いませんよね。人間、その気になれば何とかなるものなのです♪
毛筆・硬筆書写検定は「書道のプロなのに今の知識と技術ではマズイ」と危機感を感じて独学で勉強しました。
このブログ内でも書写検定について書いてきていますが、独学と言っても好きなことなので大変でも何でもないのです。
この書写検定を学んだ経験は大きかったです。
『楷・行・草・隷・かな』の基礎が身に付いたことも大きかったのですが、旧字体・書写体を学ぶことで漢字の成り立ちと変化を知ることができたことは今の筆耕の仕事に大いに役立っています。
もし、プロの筆耕士を目指しているのなら、書写検定への挑戦はぜひおすすめします。※ただし、独学は非効率なので、習える場があったら習った方が良いです。
どうしたら筆耕士になれるか?
多くいただく質問で『どうしたら筆耕士になれるか?』ですが、答えはここまで書いてきた内容を参考にしてください。
筆耕業者へ登録するのか、僕のように一匹狼で運営するか、方法はいろいろありますが、とにかく技術を磨きながら情報収集をすることです。
たぶん、このブログを見てくれている時点で情報収集の一環となっています。同じように、いろいろな筆耕業者のホームページを見て廻ってください。
情報を集めることにより、自分の方向性も見えてきます。
そして、最重要なことは知識と技術です。お金をもらう以上、特に技術は重要です。芸術書道と違い、実用書道は技術が目に見えてわかります。様々な筆耕士の作品を見て、自分がどのレベルにあるのか客観的に図りましょう。
僕も理想とする字にはまだまだ程遠いので、練習がんばるぞ~♪
おわり
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コメント一覧
書道教室を開講しています。更に技術取得したいと、ここのページにたどり着きました。